熊本県出身の漫画家・緑川ゆき氏のアニメ映画「蛍火の杜へ」の舞台となったことで注目が集まり「異世界への入り口」のような風景がSNSでも話題になった、神秘的な神社の上色見熊野座神社。
神殿(拝殿)へ続く参道沿いには97基もの石灯籠が並び、苔むした緑色の世界に陽が差し込む光景はとても幻想的です。神殿を抜け、より急な坂をのぼると、健磐竜命(たけいわたつのみこと)の従者、鬼八法師(きはちぼし)が蹴破ったという伝説が残る、巨大な縦横10mの大風穴「穿戸岩(うげといわ)」にたどり着きます。
狛犬がお出迎え。(他にもうひと組の狛犬も。)
長い参道の階段を登り切ってすぐに登場するのが拝殿。
境内には、この神社のご神木となっている梛(なぎ)の木もあります。「凪」という文字にかけて、「波風が穏やかになる」ということから、古くより梛の葉には魔除けのパワーがあるとされているようです。
参道は多くの杉の木に囲まれていて、木々の間からわずかな太陽の光しか差し込みませんが、階段を上り切った上にある拝殿では陽が射し込むので神々しさを感じることができます。縁結びや商売繁盛のご利益があるので拝殿でしっかり祈願!
拝殿を抜け急な坂道を登ると「穿戸岩」(うげといわ)にたどり着きます。
この神社のご神体「穿戸岩」(うげといわ)の大きな岩の中に立てば、合格や必勝など何事にも打ち勝つパワーがいただけるらしいです。(現在は立ち入らないよう掲示板が立っています。)
◇「穿戸岩」にはこんな伝説があります。
昔、弓好きの阿蘇大明神が阿蘇山頂から弓を射るたびに、従者の鬼八法師は射られた矢を毎回拾うのを面倒に思い足の指で挟んで投げ返していました。これに激怒した阿蘇大明神に鬼八法師は追いまわされ、上色見の外輪山の向こうまで逃げようとしましたが岩壁(穿戸岩)に妨害され窮地に立たされました。そこで岩壁(穿戸岩)を蹴破り、その岩穴から無事逃げ去ることができました。
この岩が「穿戸岩」として伝えられており、上色見熊野座神社のご神体となっています。
この苔むした石段が印象的な道は、アニメ映画にもなった漫画『蛍火の杜へ』の舞台であり、映画『るろうに剣心』の撮影地になったことでも知られています。『蛍火の杜へ』の作中では、とても印象的なシーンに登場するのですが、ここが選ばれたのにも納得の厳かな雰囲気です。
上色見熊野座神社へは、車によるアクセスがおすすめです。
この神社の最寄り駅の南阿蘇鉄道「高森駅」から車で10分ほどかかる場所に位置しています。近くにバス停もありますが、バスの本数が少ないので注意が必要です。
この神社の入り口は、車で行くと見逃しやすいので、「色見郵便局」(熊本県阿蘇郡高森町大字上色見2614-6)を目当てに行くのがおすすめです。国道265号線を色見郵便局に向かって進めば、この郵便局の向かいに上色見熊野座神社の入り口があります。そこから100メートルほど先に進むと無料の専用駐車場も用意されています。
上色見熊野座神社の基本情報
住所:熊本県阿蘇郡高森町上色見2619
電話番号:0967-62-1111(高森町政策推進課)
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