時々見かけるフルイドアート。ウルトラマンのオープニングのようなマーブル模様ってどんな感じで描かれているんだろうかという疑問でちょっと調べてみました。
フルイドアートとは
アクリル絵具の流動性を使って、偶然的に発生する模様で表現するフルイドアート(「ポーリング技法」とも呼ばれる)。この技法は、近年世代を問わず世界中のアーティストが絵画表現に取り入れています。私のような初心者でも味わい深い表現ができますし、気軽に挑戦できる描き方です。
今回は、そんなフルイドアートの技法をご紹介します。
ポーリング技法の仕組み
まず、ポーリング技法の仕組みを簡単に説明します。ポーリング技法とは、違う色の絵具同士を混ざり合わない状態にし、独特の模様を作る技法です。
絵具同士が混ざり合わないようにするには、ポーリングメディウムを絵具に混ぜます。(ポーリングメディウム混合の絵具も発売されています)絵具をより流動的にしたい場合は水を混ぜます。水を混ぜすぎると、色の境界がぼやけてしまうので、分量に気をつけましょう。
シリコンオイルを絵具に数滴入れると、セル模様を発生させることができます。セル模様とは、周りの絵具をはじいてできる円形の模様です。シリコンオイルを混ぜる分量は、絵具20ml~40mlに対して1~2滴が最適です。絵具をキャンバス上に垂らしこむ前に、カップの中で絵具と軽くかき混ぜて使用します。また、ライターやバーナーで炙ると違った表現になります。
代表的な4つの技法
代表的な4つの技法をご紹介します。いろいろな描き方を試してみて、自分の好きな表現を見つけましょう。
フリップカップ
①ポーリングメディウムを混ぜた絵具を、カップの中に色ごとに順番(ランダム)に入れていき、絵具の層を作ります。
②キャンバスでカップにフタをし、ひっくり返します。絵具が重力で下に降りるまで少し待ちます。
③カップを上に持ち上げて絵具を広げます。キャンバスを傾けたりしながら絵具を移動させて画面全体にいきわたらせます。
オープンカップ
①底を切ったカップをキャンバスの上に乗せて、ポーリングメディウムを混ぜた絵具を入れていき、絵具の層を作ります。
②カップを上に持ち上げ、絵具を広げます。キャンバスを傾けたりしながら絵具を移動させて画面全体にいきわたらせます。
スワイプ
①ポーリングメディウムを混ぜた絵具を、キャンバスの中央にたらします
②ビニールヒモやサランラップなどで引きずり、一気に伸ばします。片側ができたら、逆側も同じようにします。キャンバスを傾けたりしながら絵具を移動させて画面全体にいきわたらせます。
ダッチプア
①ポーリングメディウムを混ぜた絵具を、キャンバス上に重ねながらたらしこみます。
②ストローで息を吹きかけて、絵具を動かします。ドライヤーを使う方法もあります。
こんな感じ
今回はフリップカップ方式で制作してみました。
今回の使用材料
・アクリル絵具(適量)
・ポーリングメディウム(今回は不使用)
・シリコンオイル(数滴)
・水(適量)
・MDFボード(中質繊維板)
MDFボード(中質繊維板)は、そのまま使うと上の制作物のように気泡が目立つので下地を塗ってから絵具を垂らすことをオススメします。
※絵具が乾くのに1日〜数日かかります。
まとめ
偶然の産物でもあるフルイドアートは制作者の精神性が表れる表現方法のひとつと感じています。
上手くできるか不安はありましたが、初めてにしてはよくできたと感じています。
すぐに手に入る材料でできるので、みなさまもよければ作ってみてくださいね!
コメント