くしふるる

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宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井に鎮座する槵觸神社(くしふるじんじゃ)。

天孫瓊々杵尊(ににぎのみこと)の天降り神話として古事記に「筑紫の日向の高千穂の久士布流多気に天降りますー」とあり古くは「くしふる峰」をご神体として祀り、元禄7年に社殿が建立されると瓊々杵尊をはじめとする国譲り神話の神々が祀られました。

天孫降臨の際、くしふる神社の御祭神でもある武甕槌命(たけみかづちのみこと)と建御名方命(たてみなかたのみこと)が行った力比べが相撲のルーツとされています。

「久士布流(くしふる)」は「ク(奇)+シ(石)+フル(旧)」、「多気」は「岳」で霊妙な石が年月を経てなった山の意味、「霊異ある」という意味である「奇し振る」と解釈されています。

「筑紫(つくし)」は九州全体を指すという説、筑前筑後を指すという説があり、「日向(ひむか)」については南九州全体を指すという説、西暦700年頃より以前は、薩摩・大隅両国は日向国に含まれていたとして現在の宮崎・鹿児島両県域を指すという考え方もあります。

福岡県福岡市と糸島市の境に位置する高祖山(たかすやま)の南の峰も「くしふる山」というらしいけど、何か関係があるのかな?

御由緒

槵觸神社の鎮座するくしふるの峰は肇国の昔天孫瓊々杵尊が三種の神器を奉戴してこの国を治める為に天降られた聖地として古史に記されてゐます。
往昔は社殿はなく山そのものを神と崇めて高千穂八十八社の一つに数えてゐましたが十社大宮司をはじめ往古の聖跡を慕う歴代延岡藩主の熱望と高千穂十八郷の民力とにより元禄七年(一六九四)六月十五日に社殿が建立されました。
古来武神としての信仰が厚く またわが国の神道流布根源の地として広く信仰され高天原 四皇子峯とともに高千穂を代表する聖地であります。
 

御祭神

主祭神

天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこほほににぎのみこと)

相殿神

天児屋根命(あめのこやねのみこと)
天太玉命(あめのふとたまのみこと)
経津主命(ふつぬしのみこと)
武甕槌命(たけみかづちのみこと)

高天原遥拝所

天孫降臨後、諸神がこの丘に立って高天原を遥拝された所と伝えられる。

四皇子峰

御祭神

  • 彦五瀬命(ひこいつせのみこと)
  • 稲飯命(いなひこのみこと)
  • 三毛入野命(みけいりのみこと)
  • 神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)

神武天皇の御兄弟神(四皇子)誕生の地と伝えられ、御聖域とされている。彦火火出見尊(瓊瓊杵尊の御子で山幸彦)の御子鵜鵝草葺不合尊は、玉依姫と結婚され、彦五瀬命(ひこいつせのみこと)、稲飯命(いなひこのみこと)、三毛入野命(みけいりのみこと)、神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)の四皇子がお生まれになっている。

神日本磐余彦尊は、高千穂の宮で東征について彦五瀬命とご相談され、日向から筑紫、安芸、備後熊野を経て大和に入られ、平和国家を築かれたという。

神々の系図神武天皇は、この地で生まれ、45歳で日向を出発、大和に進軍し、橿原宮で初代天皇に即位されたといわれています。

高千穂碑(風土記・万葉の丘)

皇祖発祥の地と伝えられる高千穂の地は日本国民の心のふる里です。天孫降臨は一つの神話ですが、上代の歴史は洋の東西を問わず、神話の形式で伝えられています。神話は民族を特色づける祖先の遺産であり、国の背景を形成する大きな要素ともいえます。くしふる峰に連なるこの丘に建立されている高千穂碑は、神話にいう高千穂が奈良時代に編纂された「日向風土記」に西臼杵蔀高千穂町を中心とする旧高千穂郷と記されていることから、天孫降臨の地高千穂の伝承を顕彰するため、甲斐徳次郎氏(岩戸村長・県議会議員歴任・高千穂町名誉町民)の提唱により、昭和36年から建立運動が始まり、昭和41年11月11日に名誉総裁高松宮宣仁親王殿下の御臨場を仰ぎ、建碑除幕式が行われました。徳次郎氏は神典、古文書に対する造詣が深く、神道の信仰と仏教の信心、古典の研究に通じた郷土史家でもあり、その熱意により建設協賛会名営会長に佐々木行忠神社本庁統理(国学院大学院長)、理事長として法学博士瀧川政次郎氏(国学院大学教授)のご協力をいただき、文学博士安藤更生氏(早稲田大学教授)をはじめとする著名な神社、文化人70余名の発起人を得て、建立されています。

高千穂碑の横には、1955年(昭和30年)に高千穂を訪れたアララギ派の歌人川田順氏が詠んだ歌
「はろかなる神代はここに創まりぬ 高千穂村乃山青くして」の歌碑が建立

天真名井

瓊々杵命(ニニギノミコト)がこの地に降り立った際に、この地に水がない事を知り、 天村雲命(アメノムラクモノミコト)が再び高天原に上がり水種を移したと伝わる場所。

天照大神に水の種を3ついただき、一つをくしふる峯西方の近く藤岡山の麓の神代川のほとりに、一つを丹波の氷沼の予佐宮に、もう一つを伊勢神宮の外宮、高佐山におかれたそうです。

樹齢1300年を超えるとも言われる欅の根元から天然水が滾々と湧き出しています。

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